臼井昭仁
感熱紙やカーボン紙、写真など再利用しにくい紙類を回収・再生し、トイレットペーパーをつくる取り組みを三重県伊勢市が進めている。「トイレの紙さまプロジェクト」と名付け、今月初めて完成品3589個を小学校や幼稚園へ配布した。
「紙類を燃えるごみにしない」ことを目標に、リサイクル意識を高める狙いで伊勢市や企業などでつくる市環境会議(高橋克彦会長)が昨年度から始めた。
回収するのは防水加工やアルミコーティングされた紙など。通常は燃えるごみとして扱われている。同会議は初年度、5社・団体から協力を得て、1万5120キロを回収した。コアレックス信栄(静岡県富士市)が引き取り、通常の古紙も混ぜてトイレットペーパーに再生し、伊勢市へ戻した。
今年度はすでに1万8千キロ超を回収。市によると、分別に手間がかかるため一般市民から回収する予定はないが、協力企業・団体を増やしていきたい考えだ。
コアレックス信栄によると、同様の取り組みは静岡県内の2自治体も始めているほか、リサイクルしにくい紙類を約20自治体から引き取っているという。
伊勢市ごみ減量課の担当者は「ごみが少しでも資源化できることを目で見える形で示せれば、減量を図る啓発にもつながるのでは」と期待している。(臼井昭仁)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル